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かつて、地球の深海には色とりどりのサンゴでできた美しいサンゴ王国がありました。王国には魚たちが仲良く暮らしていて、どの海よりも賑やかでした。王国の王、ウミショウブ王は慈悲深い王で、彼の王国は海の生き物たちから尊敬されていました。 ある日、サンゴ王国の平和が危機にさらされました。謎の暗い影がサンゴ王国を覆い始め、海の中の光が少しずつ薄れていきました。ウミショウブ王は、タツノオトシゴの騎士、ヒカリと一緒に暗闇の正体を探ることにしました。 ヒカリは背中に小さなランプをつけて、暗い海を進みました。 ぷくぷくと泡を出しながら、ヒカリは勇敢にも暗闇の中心へと進んでいきました。突然、大きな岩の裏から黒いイカ、クロスケが現れて、サンゴ王国を覆っていたのは自分の大きな体だと教えてくれました。 クロスケは明るい光が苦手で、自分の場所を見つけるために暗い場所を探していたんです。しかし、それが王国のみんなに迷惑をかけていることに気付いていませんでした。ウミショウブ王とヒカリは、クロスケに王国の外れに暗くて静かな場所を紹介し、クロスケは新しい家をとても気に入りました。 クロスケが移動すると、サンゴ王国には再び光が戻りました。海の生き物たちは喜びを分かち合い、ウミショウブ王とヒカリは英雄として称えられました。そして、クロスケもまた、皆と分け隔てなく仲良く暮らせるようになりました。 それからというもの、サンゴ王国には新たな平和が訪れ、すべての生き物が幸せに暮らしていました。そして時折、クロスケが遊びに来ると、王国のみんなで楽しいお祭りが開かれるようになったのです。
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